1月16日から18日の3日間、長崎県長崎市で『Bリーグオールスターゲームウィークエンド2026』が開催された。篠山は2日目に2つのコンテスト、3日目にメインイベントのオールスターゲームに出場しただけでなく、一日駅長、テレビ番組の公開収録、パートナー関連のイベント出演など大小さまざまな仕事をこなし、いつ何をやったかうろ覚えになるほど忙しい3日間を過ごした。
ある年は名産品を頬張り、ある年は伝統舞踊を踊り、ある年はアリーナの天井から降臨。奇想天外なパフォーマンスで年に一度の祭典を彩る“オールスター男”に、パンケーキをつまみながら話を聞いた。

オールスター、かなりお疲れのご様子だったと広報さんからうかがいました。
どうかな。疲れたかな……? 去年の千葉のほうがドキドキはしました。アリーナの上から降りないといけないっていう恐怖との戦いだったので。
篠山選手のオールスターゲームの入場パフォーマンスは毎年趣向を凝らしたものですが、今年はまさかの「歌」でしたね。しかも事前にリーグのSNSで散々煽っておきながら、本番では歌わないという。
リーグから「歌ってほしい」と要望を受けまして。歌うのはちょっと抵抗があったので「コント形式はどうですか?」と提案させてもらって、辻(直人)、鷹ちゃん(ジョシュ・ホーキンソン)、川真田(紘也)に協力してもらいました。
辻選手は記者会見時の独唱「開幕宣言」に続いての登板となりました。
終わった後に辻とも話したんですけど、(長崎出身のさだまさしさんをもじった)つじまさしがあんなに跳ねると思ってなかったんですよ。だからつじまさしはつじまさしで完結させて、オールスターは辻じゃなくて比江島(慎)でも良かったかもねって。そういう反省会もしました。
「つじまさし」もリーグからのリクエストだったんですか?
いや、辻さんはあれは全部自分でやってるんです。
お願いされてアリーナの天井から降りてくる篠山選手もすごいですが、お願いされていないのに「何かやってやろう」と思える辻選手もすごいですね。去年は氣志團を歌われていましたけど。
すごいと思う。よく拗ねずにめげずにやりきってくれてるよなって思います。
あのチェックのシャツとメガネとカツラも自分で買われてたんですよね。きっと。
広報)ギターは長崎市役所の方から借りたそうです。
つじまさしさんが「篠山お前打ち合わせしすぎ〜♪」と歌っていましたが、そんなにたくさん打ち合わせをされたんですか?
いや、オールスターまでに2回やったくらいですよ。もう毎年のことですしね。自分のアイディアで入場したのは北海道オールスターまでじゃないですか。僕は怪我して出られなかったけど、(藤井)祐眞にiPadを持たせてビデオ通話しながら入場するっていう。あれ、直前に思いついて、現場にいる広報に「会場にある一番でかいiPadを探して」ってお願いしてやったんですよね。我が家のwifiが弱くて映像ガタガタしましたけど(笑)。
オールスターの入場にこだわるようになったのはいつからでしたっけ?
2019年の富山ですかね。その前の熊本は初出場だったので、リーグがわざわざ煽り映像みたいなのをチームに撮りに来ましたね。
選手がご当地モノを食べたり持ったりして入場するスタイルは今でこそ珍しくないですが、富山のオールスターで、篠山選手がます寿司を食べながら入場したのは衝撃でした。今さらですが、どういう経緯であれをやろうと思ったんですか?
そう言われてみるとなんでだったんだろう……。当時遠征で富山に行くと、毎回グラウジーズさんがます寿司をおみやげにくれていたんですよ。ます寿司好きだし、いつももらってるから食べながら入場しようかなー、みたいなところから始まりました。ゲストで来ていたアーティストの方がめっちゃ苦笑いしていたのをすごく覚えています。

長崎は楽しめましたか?
全然外出てないです(笑)。ただ、今回は泊まったスタジアムシティホテルはプライベートの旅行のホテルも含めてたぶん一番良かったです。
そんなにいいんですか。
めっちゃ良かった。何がそんなに良かったのかよくわからんけど、めっちゃ良かった。ベランダからの景色とか抜け感がすごく広くて。スタジアムがまず目の前にあって、山があって、山の上の方の展望台とか見える。ベランダも広くてめっちゃ良かったです。ホテルから一歩も出てないですけど、ベランダにいるだけでなんか休まるというか、観光してる感というか、外にいる感があって。プールもあったし、ジムあったし、サウナもあったし。「息上げておこう」って思ってプールに行ったら(アイザック・)フォトゥがのんびりしてて、それを横目に俺は本気のクロール。たぶん引いてたと思う(笑)。

入りは金曜日ですか?
僕は金曜の朝。これが大変だったんですよ! 渋滞を恐れて電車で空港まで行ったんですけど、JRが停電か何かで止まってたこともあって車内でギュウギュウ詰めで、しかもでっかいキャリーケースを持ってるからまわりのおじさんたちに舌打ちされて……。スターなのに…これからオールスターに出るのになんでこんな満員電車に乗って「降りれねえだろ!」とか怒られて…スターなのに……この時点でだいぶ疲労困憊でしたけど、ホテルが素晴らしかったのでだいぶ救われました。
ちょっと外に食事に行くとか、観光するとか、そういう時間はなかったですか?
作ろうと思えば作れたと思うんですけど、そういうのがどっちかっていうとあんまり得意じゃない性格なんで。全員に「疲れてますね」って言われました。

U18オールスターに出場した高橋秀成選手(U18 川崎ブレイブサンダース)も長崎名物のカステラを食べ、篠山選手定番のライダーポーズ(正確に言うと『ピンポン』のペコのポーズ)を披露していましたが、何かアドバイスをされたんですか?
広報に「カステラを持たせといて」とは伝えてました。秀成から「カステラですか……?」みたいなLINEが来たので「食べてコートに入れ。滑ったら『竜青さんにやれって言われた』って言っときゃいい」って。ポーズは特に指示はしてないです。
広報)「カステラ食べるだけでいいんですか?ポーズはとらなくていいですか??」と聞かれたので「ポーズもやりたかったらやりなさい」とだけ言っておきました。
スキルズチャレンジに出場した岡田大河選手はスペイン語でご挨拶。こちらにもアドバイスはされましたか?
大河は緊張して「どうしよう」みたいな感じだったので、「スペイン語でインタビューに答えたら?」って言ったら本当にやった。あいつはそもそもの滑舌が悪いから、最初スペイン語で喋ってるかどうかすら全然わかんなかったですけど、つかみとしてはよかったんじゃないですか。
2人とも「エンタメ精神旺盛です!」みたいなキャラクターには見えませんが、大先輩を見習って頑張っていたわけですね。
なんて言ったらいいんすかね。面白いことをやれとも思ってないし、「ウケるか滑るか」みたいな打席に立つ必要もないと思っています。私もそこに立ってる意識が全然ないし。
本業はプロバスケットボール選手ですからね。
今までの入場もそうでしたけど、見てる人が楽しんでもらえるようにできることをやってみたら?っていうところだけですね。
なるほど。それにしても、オールスターにおける篠山選手への期待値は毎年上がる一方ですね。
ねえ。それこそ子どもたちが大きくなって、他の選手やオールスターの存在自体をだいぶ理解するようになって、めちゃめちゃ楽しそうなんですよ。思い返すと自分も小学校低学年ぐらいまではNBAのオールスターをめちゃくちゃ楽しみにしてたし、大好きだったし。シャック(シャキール・オニール)が面白いことやるとか、スターティング5みんなで踊るみたいなのがすげえ好きで、覚えていて。だから改めて、こういう子どもたちの記憶に残ることをやれているのはありがたいことだなーと。自分の手の届く範囲の人たちが喜んでくれているの見られればそれでいいなって思いながらやってます。最近は。
お子さんたちから感想は聞きましたか?
まずやる前から「何すんの?」ってすごく聞かれました。去年は上から降りてきたことに面白さより心配が勝ったみたいで、次男はずっと「危ないからやめろー!」って叫んでたらしいんですよ(笑)。だから今年も「歌う」っていうのだけおこうかなと思いつつ、歌えなかった時に父親が可哀想みたいな感じになったらアレだなと思ったんで、一応ネタバレまでして。「こういう感じで面白くやるんだ」って言ったら、「ははっ」って鼻で笑ってました(笑)。終わったあと「父ちゃんも歌わせてもらったらよかったのに」みたいなことを言われたけど、それが嫌だからこういう風にしてんねんっていうね。
結局最後までマイクは入っていなかったんですか?
サビのところ、4人全員で歌うところだけ入ってました。もうちょっとキーが低かったらねえ……。あの曲高いんすよ。で、真面目なんでやっぱ原曲キーで歌うっていう頭しかなかったからもう余計に「絶対無理」ってなってたんですよ。まあ蓋を開けたら辻も川真田もめちゃめちゃ下げて歌ってましたけど。キー通りに歌ってたのは鷹ちゃんだけ。
今回のオールスターは初めて3日間の開催となり、新しい試みもたくさんありました。今後オールスターがどうなると楽しいか、そこに自分がどう関わっていたいか、何か思うことはありますか?
うーん……。それこそあれだけ歴史のあるNBAでもオールスターは常に議論がなされているし、難しいですね。Bリーグのオールスターも。だから、なんて言ったらいいんすかね。あんまり「こういうもんだ」っていうものに固執せずに、いろんなチャレンジをしていく場であればいいんじゃないかなって思ってます。あとNBAとBリーグとで違うのは、オールスターでビジネスしないといけない。やっぱり稼がないといけない。お金を落としてくれるお客さんたちをいっぱい集めて、ちゃんとお金が動く、経済効果のあるお祭りをしないといけないので、そこは大事にしつつ、より多くの人が楽しめるようにブラッシュアップをしていってくれたらいいんじゃないかなって思いますね。
NBAでもBリーグでも、オールスターは真剣勝負になりづらいがゆえに否定的な人も少なくないですよね。とは言え、会場で観戦されている方はみなさんとても楽しそうでした。
Bリーグのオールスターが一番大事にしなきゃいけないのは会場に来てくれる人たち。会場に来て、飲食も買って、グッズもたくさん買って、開催される街にお金をたくさん落として帰ってきてくれる人たちをターゲットにして、ビジネスとして成り立たせないといけないお祭りなので。そういう人たちが何を求めているのか、というところをコアに置かなければいけないのは間違いないと思いますね。リーグ自体が大衆化してきて、オールスターは選手の選出方法から何からいろいろ議論がありますけど、そういう人たちが満足するオールスターにしたとして、そのうちのどれくらいの人数が会場に来てお金を払ってくれるのか。そういうところは冷静に取捨選択していかないといけないと思うし、そこは迷走しないようにしてほしいなとは思うし。その中で選手たちはケガをしないというのを大前提に、よりいいものをお届けできるように。前も言ったことありますけど、ちゃんと”プロレス”できるようにやっていければいいのかなと思います。

選手の皆さんも入場やパフォーマンス、ファンサービスなどいろいろ工夫されていましたね。「楽しもう」「楽しませよう」という気持ちがよく伝わってきました。
それぞれの選手がそれぞれの考えで色々できてきてるのはすごい感じますね。「自分、オールスターとか向いてないんで」みたいな感じで、ただニコニコして帰るだけみたいな人は少なくなってきた。やれることをしっかりやっていこうって思ってくれている選手が増えてきているのはすごい良いことだと思います。
来年以降やりたいことはありますか?
来年以降やりたいのは…えー…あの……トークイベントとかで行きたい。
試合やコンテストは出ないんですか(笑)。
もうだいぶやったんじゃないかなーっていうところで。今回も終わり方としてすごくよかったんじゃないかと思いますよ。コンテストも残念ながら優勝とかできずに終わりました。入場も鷹ちゃんや川真田を巻き込んだ団体芸で、次に繋いで、みたいな。去年ほどのインパクトはなかったですけどね。
確かにちょっと物足りないと感じてしまいました。
ね。そういう人多いらしいんですよ。「これで終わり?」っていう感じは僕も受けたけど、まあいい感じに収束に向かってる感じがすごいしました。来季からはプレミアだし、またガラッと変わるのも面白えんじゃないかなって、今は思ってますね。まあ息子たちは「来年は何するの?」って言ってますけど(笑)。