RUNNING | [連載] 私が走る理由

私が走る理由 | 満極尚輝(MGK)

interview |

photo by Kenta Nishimura / text by FERGUS

フルマラソン2時間37分。エンジニアとして働きながらも、トップレベルの市民ランナーとして走り続ける、満極尚輝(MGK)。陸上経験ゼロからスタートし、今や自身のランニングコミュニティを牽引する彼の原動力は一体何なのか――。

すべてはホノルルから始まった

「最初はノリでした。でも、それが人生を変えました。」

2017年、4ヶ月間のハワイ留学中に友人と「せっかくだし出てみる?」と軽い気持ちで挑戦したホノルルマラソン。そこにあったのは、ただのレースではなく、広がる青空、波の音、吹き抜ける風。すべてが調和した美しい世界だった。

「純粋に楽しかったんです。走ることで景色が変わる感覚、心が解放される感じ。それが忘れられなくて、気づいたらランニングにのめり込んでいました」

走ることが“日常”になるまで

日本へ帰国後、原宿のNIKEストアでアルバイトを始める。そこで出会ったのは、当たり前のように走る人々だった。

「彼らと一緒に走るうちに、ランニングは僕のライフスタイルの一部になっていきました」

そこから本格的にトレーニングを積み、記録はみるみる向上。自己流ながらも試行錯誤を重ね、ついにはフルマラソン2時間37分のタイムを出すまでに成長した。

「速く走る」だけではない――TRACKBEATSの誕生

そんなMGKが今、力を入れているのが、自身が立ち上げたランニングコミュニティ「TRACKBEATS」だ。

「もともとコミュニティを作るつもりはなかったんです。でも、仲間と『もっと速く走りたいよね』と話しているうちに、自然と集まるようになって。気づいたら僕がリードする立場になっていました」

TRACKBEATSは、ただのランニンググループではない。トラックでのインターバルトレーニングをメインとしながらも、速さを求めるだけの場ではなく、その先にあるものを大切にしている。

「僕たちが目指しているのは、『限界を超えた先にあるPEACE OF MIND(心の平穏)』です。ただ走るのではなく、走ることで心が整い、生活全体がポジティブになるんです」

年齢も国籍も関係ない。日本人、アメリカ人、スペイン人…さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが集まり、共に限界に挑みながら、それぞれの「走る意味」を見つけている。

目標は東京マラソン2時間35分

現在、彼が目指しているのは、3月2日に行われる東京マラソンでの2時間35分の記録だ。

「ランニングはシンプルだからこそ、自分なりの楽しさを自由に見出せるスポーツです。僕にとって走る理由は、PEACE OF MIND。その想いを胸に、次のレースでも自己ベストを更新したいと思っています」

PROFILE

満極 尚輝(Naoki Mangoku / MGK)
満極 尚輝(Naoki Mangoku / MGK)
1998年生まれ。新潟県長岡市出身。エンジニアとして働く傍ら、”Peace of mind “を求めて湘南を拠点にランナーとして活動。自身がリーダーを務めるTRACKBEATSではランニングに対するマインドとスタイルを大切にし、激しいワークアウトをこなす。ランニングを通して生活全体がポジティブになる事を感じならがら楽しんでいる。

Feature
特集

Pick Up
注目の話題・情報