RUNNING | [連載] 私が走る理由

私が走る理由 |佐藤佑亮(SENSESS代表 / パーソナルトレーナー)

interview |

photo by Kazuki Okamoto / text by Reiya Kaji

「走るのが嫌いだった」パーソナルトレーナーがフルマラソンを目指す理由

「走ることが、めちゃくちゃ嫌いだったんです」

そう語るのは、藤沢のコンディショニングスタジオ・SENSESSを運営するパーソナルトレーナーの佐藤佑亮さん。学生時代は野球に打ち込み、トレーナー歴は約10年。体のプロでありながら、走ることにはまったく興味がなかった。しかし、昨年末の湘南国際マラソンに「半強制的に」出場したことで、彼のランニング観は大きく変わったという。

「同僚が申し込んでいて、流れでエントリーすることになったんです。でも一度も練習せずに本番を迎えました。30km地点で完全に足が動かなくなってしまって、歩くことすらできなかった。屈辱を味わいました」

この「悔しすぎた」経験が転機となり、佐藤さんは本格的にランニングを始めた。

「走る」ことへの捉え方の変化

佐藤さんは学生時代、野球部での厳しい走り込みが嫌で仕方なかったという。「当時はただキツくて、やらされている感覚だった」と振り返る。しかし、今は違う。

「今は自分のペースで、自分が立てた目標に向かって取り組めている。それが一番の違いですね」

佐藤さんにとってランニングは、「罰」から「挑戦」へと変わった。そして、日々の習慣として定着しつつある。

「今では週に何回か、10kmほど走っています。トップランナーに比べたら大した距離ではないですが、過去の自分と比べたら大きな変化です」

実際に取り組んで理解した、有酸素運動の重要性

「走るようになってから、メンタルが安定したんです。終わった後の爽快感もあるし、何より仕事にも良い影響が出ています」

パーソナルトレーナーとして、有酸素運動の重要性は理解していたものの、実際に取り組むことでその効果を身をもって実感している。

「自律神経が整ったり、酸素が脳に行き渡ることで思考がクリアになったりと、メリットは計り知れないですね。だからこそ、忙しい方やストレスを感じている方にこそ、ランニングを取り入れてほしいと思います」

SENSESSの立ち上げに奔走していた時期の佐藤さんを知る人々は、口を揃えて「顔色が良くなった」と、自身のみならず周囲がランニングによるメリットを実感しているという。

私が走る理由

そして、佐藤さんには明確な「走る理由」がある。

「昨年の湘南国際マラソンのリベンジですね。同じ大会でしっかり結果を残したい。そのために日々の練習を続けています。今はもう、走ることが習慣になっていますし、自分自身の健康のためにも、そしてトレーナーとしてお客様のサポートをより良いものにするためにも、走ることは大切な要素になっています」

かつて「走るのが嫌いだった」男が、今はSENSESSのお客様に向けてランニングの魅力を発信する立場になった。その姿は、多くの人にとって「走ること」のハードルを下げるきっかけになるかもしれない。

PROFILE

佐藤 佑亮(Yusuke Sato)
佐藤 佑亮(Yusuke Sato)
「自分らしく、整える、鍛える、満たされる。」がコンセプトのConditioning×Life design STUDIO SENSESS代表。パーソナルトレーナー、ピラティス指導者、栄養セミナー講師など幅広く活動。トレーナー歴10年となり、劇団四季主演俳優、モデル、アスリートなど幅広いお客様を担当。姿勢・動作改善、ダイエット、ボディメイクをはじめ、日常の疲労改善、肩こり・腰痛改善、仕事のパフォーマンスアップなど、生活の質を向上させるための多彩なプログラムを提供している。

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