FOOTBALL

柏レイソル犬飼智也選手が手掛けるカフェ「TONES COFFEE ROASTERS」が柏にオープン

interview |

photo by Kazuki Okamoto / text by FERGUS

2024年11月29日、Jリーグ柏レイソルに所属する犬飼智也選手が柏にカフェ「TONES COFFEE ROASTERS」をオープンした。

犬飼選手が信頼を寄せる焙煎士が淹れる本格コーヒーや、この店舗でしか流れないオリジナル楽曲、さらに犬飼選手がセレクトしたヴィンテージ家具が彩る空間で、特別なひとときを楽しむことができる。

また、ここでしか買うことができない、柏レイソルとの公式コラボレーショングッズも取り扱っており、地域との繋がりも大切にしている。

今回は、同店の共同オーナーであり、「Port tomigaya」「Baggage Cafe Market」(いずれも都内)を経営する竹内隆平さんとともに、この新しいカフェの魅力やこだわりについてお話を伺った。

2人の出会いは10年前。

犬飼選手と竹内さんはいつ頃からお知り合いになったのでしょうか?

ワン(犬飼選手)とは、彼が松本山雅にいた頃に知り合いました。僕は東京ヴェルディの下部組織出身で、同期だった喜山康平(ギラヴァンツ北九州)とワンは仲が良かったんです。その縁で、僕が前職でやっていたアパレルのお店に遊びに来てくれたのがきっかけで知り合いました。

犬飼選手が松本山雅に在籍されていたのは2013年ですよね。(2013年6月〜2014年12月まで在籍)

気づけば、もう10年近くの付き合いになります。その後、ワンが鹿島アントラーズや浦和レッズなど関東圏内のチームに移籍することが増えて、趣味も合うことから一緒に農業をしたり、いろんなことを楽しむ中でどんどん仲良くなっていき、お互いに「こういうことをやりたいよね」という話をする機会も多くありました。

具体的にどういったことをやりたいと言われましたか?

キャンプ場をやりたいとか陶芸の工房作りたいとかめちゃくちゃ言ってました(笑)

言ってたね(笑)でも、まだまだ他にもやりたいことはあるけど、まずはお互いが好きなことを一度形にしたいなと。僕自身、コーヒーが大好きで、昔からよく飲んでいたんです。そんな中で、竹内君が都内でカフェを経営していたこともあり、焙煎士の片倉が加わることで、この3人ならきっと面白いことができるだろうと思って、今回のプロジェクトが始まりました。

焙煎士の片倉さん(中央)

物件契約日当日に…

いつ頃からこのプロジェクトが始まったのでしょうか?

2年前にワン(犬飼選手)が浦和に在籍していた時、大怪我をしてしまったんです。その時に、今回一緒に焙煎を手掛けてくれる片倉と一緒に、コーヒー豆のブレンドを作ったことがきっかけになりました。それを通じて「いつかこんなお店をやりたいよね」という話をワンともしていました。

ただ、僕とワンだけでお店をやろうというテンションではなかったです。でも、今回は焙煎士の片倉が「環境を変えて新たにチャレンジしたい」という相談をしてくれたことで話が動き出しました。全員の思いが一致して、必要なピースが揃った形で、「それならやろう!」と決意したのが、ちょうど1年半ほど前です。

なぜ柏という街を選んだのでしょうか?

最初は東京でオープンする案もあったんですが、焙煎を本格的にやりたいという想いから、広いスペースが必要だったんです。また、僕が柏レイソルに所属していることもあって、柏の街がとても好きなんですよ。あと、柏は東京からもそこまで遠くないので、「柏でやるのも面白いんじゃないか」という話になって、柏でオープンすることになりました。

ただ、柏は思った以上に物件が少なくて、かなり苦戦しましたね。一度、泣く泣く「ここにするしかないか」と決めた場所があったんですが、その契約当日の朝に不動産屋さんから今の物件を紹介されて急遽その場所を見に行き、その日のうちに決断してここに決めたという巡り合わせでした。半年以上も物件を探し続けて、本当にギリギリでようやく見つかった場所なんです。結果的に、本当にいい場所に出会ったと思っています。

オープン前に店内の掃除を手伝う戸嶋祥郎選手

「TONES」= コーヒー焙煎時に響く音、人々の個性を表す音、そして柏の地域を象徴する音

「TONES COFFEE ROASTERS」の名前の由来を教えてください。

「TONES」には「音」という意味があります。これは、コーヒー焙煎時に響く音や、人々それぞれの個性を表す音、そして柏の地域を象徴する音を指しています。さまざまな音が重なり合い、美しい音色を奏でるような空間でありたいという想いが込められています。

お店の中で特にこだわったポイントを挙げるならどこでしょうか?

挙げ始めたらきりがないんですが、一番の軸にあるのは、やはり焙煎士である片倉の技術やコーヒーへのこだわりだと思います。それがこのお店の最大の強みです。その強みをより多くの人に知ってもらえるように僕や竹内君が発信したり、地元・柏の皆さんに足を運んでもらえるような働きかけをしていきたいと思っています。コーヒーの美味しさには自信がありますので、飲みに来てくださる方はもちろん、他のお店や施設などでも取り扱ってもらえるように頑張りたいと思っています。

ここでしか買うことができない、柏レイソルとの公式コラボレーショングッズも販売している

店内もすごくおしゃれですよね。

ワンは以前から「空間デザインをやってみたい」という想いを持っていたので、あえて内装のプロのデザイナーさんに頼むのではなく、僕たちのやりたいことを一緒に形にしてくれる方にお願いして、内装設計を進めました。その結果、彼がやりたかったことをしっかりと表現できた空間になったのではないかと思っています。

あと、家具も僕が好きなヴィンテージのものを集めたので、そこも楽しんでもらえると嬉しいです!

最後に、この場所を今後どのように発展させていきたいか教えてください。

柏レイソルさんとコラボして、ここでしか販売されていないグッズを作るなど、レイソルのファンや選手たちにとって、ここが一つのハブとなる場所になればと思っています。ただ、それだけに頼るのではなく、コーヒーも本格的で美味しいものを提供できるという自信を持ってスタートしました。このエリアに住んでいる人たちが「毎日ここに来たい」と思ってもらえるような場所にしたいですし、さまざまなジャンルの人たちが刺激を求めて訪れるような場所をこれから作っていきたいと思っています。

「柏から世界へ」というのは少し大げさかもしれないですけど、まずは日本全国に僕たちの豆が届くようになれば、それはすごく面白いなって。Jリーグのチームは全国にあるので、全国のサッカーファンの人たちに僕たちのコーヒーを楽しんでもらう機会をつくったり、実際に飲んでいただける環境を作れたら最高だなと思っています。

PROFILE

犬飼 智也(Tomoya Inukai)
犬飼 智也(Tomoya Inukai)
柏レイソル所属。「TONES COFFEE ROASTERS」オーナー。

PROFILE

竹内 隆平 (Ryuhei Takeuchi)
竹内 隆平 (Ryuhei Takeuchi)
MARUGOTO Co., Ltd. CEO「TONES COFFEE ROASTERS」の共同オーナーであり、都内で「Port tomigaya」「Baggage Cafe Market」を経営。

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