FOOTBALL

「キングスリーグ最大の魅力はGKが輝けること」| 深谷圭佑

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photo by Kazuki Okamoto / text by FERGUS

かつてサガン鳥栖やWINNERSでプレーし、Jリーガーとしてのキャリアも歩んできた深谷圭佑が、「キングスリーグ」に挑戦している。ピッチ上で求められるのは、GKとしてゴールマウスを守ることだけではなく観客を魅了する“エンタメ性”。「キングスリーグで必ず世界一を取る」と語る彼にはどんな想いがあるのか――現地での体験や新たな挑戦への意欲を、自身の言葉で語ってもらった。

photo: 彭善豪

6月1日開幕!Kings World Cup Clubs 2025 in France

現在の活動について教えてください。

深谷圭佑と申します。1998年6月20日生まれの26歳です。たぶんこの動画が出る頃には、ほぼ27歳になってると思います。一応、元プロサッカー選手という肩書きではあるんですけど、今は「キングスリーガー」を名乗って活動しています。

「職業:キングスリーガー」って言ったんですけど、一番の目標はキングスリーグで世界一になること。その目標を頂点において、今の仕事も全部サッカーに関わるものを選ぶようにしています。GKグローブの販売だったり、GKコーチングだったり、サッカーイベントの運営だったり、すべてが「世界一になる」という目標に繋がっています。

福岡に引っ越した理由は?

すごくパーソナルな話になるんですが、昨年10月に結婚しまして、それまで愛知に住んでいたんですけど、妻が人見知りな性格で、新しい土地で友達を作るのもそんなに得意じゃなくて。僕がキングスリーグでメキシコやイタリア、今度はフランスなど、家を空けることが増えてきて。そのときに僕がいないと「楽しくない」と妻が感じてしまうのは、僕にとっても妻にとってもいいことではないと思ったんです。だったら、妻が楽しく過ごせる環境のほうがいいなと考えて。福岡には妻の友人もいて、僕がいないときも楽しく過ごしてくれたらなと思って引っ越しました。僕自身、いま人生めちゃくちゃ楽しいので、彼女にもそうあってほしいと思っています。

福岡ではどんなチームに所属しているんですか?

今は2つのクラブに入っています。ひとつは社会人サッカーの「Passcharaise福岡」、もうひとつはソサイチ(7人制)の「FUKUOKA CITY24」です。FUKUOKA CITY24は、元アビスパ福岡の木戸皓貴選手とご縁があって「一緒に日本一を目指そう」ということで入りました。Passcharaise福岡は、僕が福岡に引っ越すと発信したタイミングで、すごく熱量の高いDMをいただいて。それで練習に参加させてもらって、オーナーや選手たちと話したら、すごく温かい雰囲気で「このチームでやりたいな」と感じました。

photo: 彭善豪

キングスリーグについて教えてください。

「新しいサッカーの形」だと思っています。11人制のサッカーももちろんリスペクトしています。でも、今の時代って、TikTokやYouTubeショートみたいに、興味がないとすぐ飛ばされるじゃないですか。そういう中で「90分間のサッカー」って果たして今の人たちにマッチしてるのか?という疑問があって。そこに、元バルセロナのピケやアグエロが新しい形を模索して生まれたのがキングスリーグだと思っています。

キングスリーグは40分間の試合で、ずっと高いテンションを維持できるような仕掛けがたくさんあります。例えば、1対1から始まって、1分ごとに2対2、3対3…と人数が増えていく展開や、特殊なカードがあって「いつでもPKが蹴れる」といった要素もあって。0対0で終わることはほとんどないし、視聴者としても最初から最後まで楽しめるサッカーです。「90分長いな」っていう声がSNSでもよく聞かれますが、キングスリーグはそのニーズに応えられる、新しいエンタメとしてのフットボールだと思ってます。

キングスリーグとの出会いは?

本当に偶然の出会いでした。昨年の4月、日本がキングスワールドカップ(メキシコ)に参戦するってことが決まって。でも、僕はそのとき全く知らなかったんです。オーナーの加藤純一さんのことも、正直それまでよく知らなかったんです。でも、僕の従兄弟が加藤さんの大ファンで、「圭佑、こんな面白いコンテンツあるぞ!」って教えてくれて、「トライアウトもあるから受けてみなよ」と。そんなノリで受けたのが最初の入り口です。最初は「何これ?面白そうだけど、どんな規模感なんだろう?」くらいの感覚でした。でも調べていくと、ネイマールやイブラヒモビッチも関わってるし、めちゃくちゃすごいじゃん!って。実際に現地に行ってみたら、想像以上に熱量が高くて、めっちゃ面白くて。まさに運命的な出会いでした。

加藤純一さんの印象は?

完全に「人を惹きつける力」がすごい人。僕が今まで出会ってきた中で、群を抜いて人を惹きつける魅力があると思います。最初は全然知らなかったのに、実際に一緒に戦っていくうちに、どんどん惹かれていって。彼の配信を見ても、現場で一緒にいても、人の心を動かす力がある人だと感じました。

キングスリーグの魅力について教えてください

11人制のサッカーでスポットライトを浴びるのってやっぱりPK止めた時だと思うんですけど、絶対に毎試合プレジデントPKって言ってPKをオーナーが蹴るんですよ。ってことは、GKが確実にスポットライトを浴びることが出来るっていうところがあったりだとかサッカーよりも役割、任せられるタスクの多さが最大の魅力ですね。

あとは、サッカーだと0-2でアディショナルタイムに入ったら、正直もう絶望的じゃないですか。でもキングスリーグには“ダブルゴール”っていうルールがあって、1点を決めたら一気に2点入ることもあるんです。だから、最後の最後まで何が起こるかわからない。選手もそうだし、見ている人たちもずっとワクワクできる。その点がめちゃくちゃ面白いなと思っています。

今回の注目選手は誰でしょうか?

それはもう柿谷曜一朗選手ですね。僕が幼少期から見てたスーパースターですし、日本を代表するテクニシャンですし、本当に夢があるなと思いましたね。僕はJリーグ入ったものの活躍ができず挫折もした身なのですが、そんな選手と一緒の舞台で戦えるのはすごく楽しみです。

photo: Kazuki Okamoto

最後に目標について教えてください。

やっぱり一番の目標は、『キングスリーグで世界一になる』ことです。個人的な話になりますが、僕はこれまでサッカーで何かを成し遂げたことがないんです。Jリーグに入ったものの、思うような結果が出せずに挫折して、『これで終わりか』と正直思っていた時期もありました。でも、これまで支えてくれた親や、応援してくれた人たちの顔を思い浮かべると、やっぱり何かを成し遂げないと、恩返しできないなと。だからこそ、世界一しかないと思っています。そして何より、僕のプレーを見て『GKってカッコいいな』って思ってくれる人が増えたら、本当に嬉しいですね。GKは地味なポジションと思われがちですが、キングスリーグではGKが主役になれる。そういった意味でも必ず世界一を取りにいきます。

PROFILE

深谷 圭佑(Keisuke Fukaya)
深谷 圭佑(Keisuke Fukaya)
1998年6月20日生まれ、愛知県出身。帝京長岡高校で全国高校サッカー選手権に出場し、優秀選手に選出。立正大学を経て、2021年に品川CC横浜へ加入。その後、WINNER'Sやサガン鳥栖を経て、プロキャリアに一区切りをつける。2023年にSC豊橋アゼリアでフィールドプレイヤーにも挑戦。2024・2025年にはキングスワールドカップ日本代表に選出された。

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