令和5年度 全国高校サッカーインターハイ(総体)千葉予選 準決勝
八千代vs市立船橋
6月15日木曜日。
わたしは岩名運動公園陸上競技場へと足を運んだ。
マラソンの故小出義雄監督が練習拠点とし、多くの名選手を輩出した業績と貢献を後世に伝えるため、2020年から「小出義雄記念陸上競技場」と名称を変更した同施設は2020年東京五輪でアメリカ陸上チームのキャンプ地にも選ばれたことでも知られている。
そんな聖地で決勝への切符をかけ、市立船橋と八千代の一戦が行われた。
たとえ先制されようとも、市立船橋は動じない。
市船はここまで順当に勝ち上がるも、決して満足のいく内容ではないであろう。
1回戦の市立柏戦では先制点を与えてしまい、準々決勝の船橋芝山戦では序盤から何度も好機を演出するも前半は無得点で終えている。
この日の試合でも前半25分に自陣PA内で相手を倒し、PKを与えてしまう。
それまでの緊張感とは裏腹にあっさりとネットを揺らされた。
だが、彼らは決して動じない。
目の色が変わる瞬間
失点を機にようやく市立船橋が目を覚ました。
失点から僅か2分、ロングスローから久保原心優が押し込み、同点に追いつく。
八千代も決して精細を欠いていたわけではない。だが、一瞬の隙が命取りとなってしまった。
郡司璃来
やはりこの男が試合を決めた。
53分に太田隼剛からパスを受けた郡司璃来がそのまま抜け出し、飛び出したGKに対して技アリの一発。
U-17日本代表にも選ばれたエースの得点で市立船橋がついに勝ち越した。
この得点で勢いづいた市立船橋は、その後も得点を重ね5-1で勝利し決勝へと駒を進めた。
MIPは内川遼
最後にこの試合でもっとも印象に残った選手を紹介したい。
左サイドバックの内川遼である。縦への推進力と正確なキック、そして守備の強さと存在感。
U-17日本代表の候補にも入った彼は、この試合でもMF森駿人とともに左サイドを制圧した。
近年のJリーグを見渡しても突出した左利きのサイドバックは見受けられず、A代表でも長友佑都以降、絶対的な左サイドバックは現れていない。
高卒でプロの道へ進むのか、大学へ進学するのか。
個人的には一刻も早くプロの舞台での活躍に期待したい。
まずは、全国へ。
Date:06.15.2023
Location:Sakura,Chiba