FOOTBALL

たった1試合で誰かの人生を動かすこともある | #鎌倉インテルvol.5

article |

photo by Kazuki Okamoto / text by Kazuki Okamoto

Jリーグが誕生して今年で30周年。
わたしの父と母が出会ったのはこの頃だろうか。

赤いスーツを纏った三浦知良の存在は当然知る由もなく、物心がついた頃には日本中がサッカーの祭典で熱狂していた。
優勝国をブラジルと予想し、見事的中させた当時6歳の岡元少年は所属していたサッカークラブから景品をもらった。何をもらったのか思い出せそうにない。

サッカーを始めたのはちょうどこの頃。
テレビで見たデビット・ベッカムは今でも憧れの存在である。
高校時代にイングランド代表のキャンプ地であった佐野運動公園(淡路島)のピッチに立った時のことは今でも忘れない。

あの祭典から20年が経ち、忘れもしないベルギー戦でゴールを決めた稲本潤一選手とゴールを決める直前に「決めてくれー!ゲットー!」と叫んだ実況の倉敷保雄さんを撮影する機会が訪れるだなんて、本当に人生何が起こるかわからないものである。

2023年シーズン開幕

2023年4月2日。鎌倉インテルの6シーズン目が開幕した。
舞台は神奈川県社会人サッカーリーグ1部。J1から数えて7番目となるリーグ。

県の1部リーグとはいえ、対戦相手には元Jリーガーはもちろん、フレッシュな大学生チームや選手に給料を支払うチームも存在しており、「J6」となる関東2部への昇格は険しい道のりが続く。

4シーズンぶりの昇格となった鎌倉インテルはこの4年間でチームとしての地盤を着実に固めていた。
監督兼CBO(Chief Branding Officer)に河内一馬氏を招聘し、自前のサッカーグラウンド「みんなの鳩サブレースタジアム」を湘南深沢駅徒歩1分の立地に建設。

チームの勝敗に関わらず知名度は上がり、昨年12月に行われた昇格決定戦では500名近くのファンが会場を訪れた。

2023年シーズンの開幕戦ではHOME「鳩スタ」に362名のファンが訪れ、昨季無敗のリーグ王者YOKOHAMA FIFTY CLUB相手にウノゼロで白星を飾った。

この試合を見にきていた子供たちはどのように感じたのか。

彼らがプレーする舞台は決して日本代表やJリーグではなくアマチュアカテゴリーではあるが、少なくともわたしの眼には「プロサッカー選手」と同等、もしくはそれ以上に闘志を見せてくれた試合であった。

試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、チームスタッフと同じように席を飛び出し喜びを顕にするファン。なんとも美しい光景である。

チームの今の現状を秋葉忠宏氏(現清水エスパルス監督)風に言えば「THIS IS KAMAKURA INTERNATIONAL」

彼らは間違いなくこの試合に勝ち点3以上の価値をもたらした。次節にも期待しよう。

Date:04.02.2023
Location:Kamakura,Kanagawa

PROFILE

鎌倉インターナショナルFC
鎌倉インターナショナルFC
神奈川県社会人1部リーグ所属のサッカークラブ。『CLUB WITHOUT BORDERS』をビジョンに掲げ、日本と世界を隔てる国境をはじめ、人種や宗教、性別、年齢、分野、そして限界、あらゆる“BORDER”をもたないサッカークラブを目指す。

Feature
特集

Pick Up
注目の話題・情報