FOOTBALL

僕たちのキャプテンに密着 | 遠藤航

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text by Kazuki Okamoto

2016年8月11日

僕はブラジルの北東部、サルヴァドールにいた。同世代の活躍を見るために、日本から2日間かけて一人でやってきた。
リオデジャネイロ・オリンピックのグループステージ第3節、相手はスウェーデン。
日本は矢島慎也(現:レノファ山口FC)のゴールで勝利するものの、グループステージで敗退した。
しかし、当時はやりたいことも見つからず、ただ何となく毎日を過ごしていた僕にとって、世界の舞台で日の丸を背負って戦う同世代の姿には、少なからず刺激を受けたことを思い出す。

そんな大会でキャプテンマークを巻いていたのは遠藤航選手だった。

2023年6月27日

羽田空港の出発ゲート。僕の目の前には新たに日本代表のキャプテンに就任した遠藤航選手がいた。
アスリートの密着撮影は今年の目標の一つではあったが、 まさか現役日本代表の、しかもキャプテンの密着撮影ができるとは想像すらしていなかった。
密着の3日前に第一子となる息子が生まれた僕は、隙あらば4人の子どもを持つ遠藤選手と育児の話ができたり、だなんて考えながら家を出た。

鹿児島県沖永良部島知名町が今回の目的地。羽田空港から鹿児島空港を経由し、そこから沖永良部島へと向かうプロペラ機に揺られ、「えらぶゆりの島空港」に到着すると、たくさんの島民に出迎えられた。

日差しは関東よりも強く、南国のカラッとした天候を予想していたせいか、かなり暑く感じた。そんな暑さを一瞬で忘れさせてくれたのが、全国最大級の鍾乳洞「昇竜洞」。全長は約3,500mもあるという。

役場で町長さんから頂いたパッションフルーツの甘酸っぱさが身体に染み渡る。「パッションフルーツ黒糖焼酎を入れて飲むと美味しいよ」と町長さん。なぜ今、それを言うのか…少しだけ仕事を忘れたい気分にもなった。きっと暑さのせいだ。

遠藤航選手を見る子どもたちの瞳は輝いていた。瞳が輝くとはこういうことなのだろう。
夕日が差し掛かる、沖永良部島の美しい海を背景に、遠藤選手が本気で子どもたちと「デュエル」する姿、夢の大切さを伝える姿、サッカー教室に来てくれた子ども全員にサインを書く姿には、島の子どもたちが魅了されていた。

そして、夜に行われた歓迎会では「島人ぬ宝」「栄光の架橋」の生歌を披露。遠藤選手の粋なサプライズには子どもだけではなく、大人も魅了された。

知名町のふるさと納税を活用し実施された今回のプロジェクト。遠藤選手にとって貴重なオフの期間に、一泊二日のスケジュールを抑えるのは、知名町の坂井さんをはじめとした役場の方々の相当な努力があってのもの。
子どもたちにとって、知名町にとって、沖永良部島にとって、この貴重な瞬間を撮影できたことは本当に光栄です。この場をお借りして御礼申し上げます。

さいごに

日本時間8月17日(木)16:30時点で、遠藤航選手のリヴァプールへの移籍報道が秒読みと、大きな注目を浴びています。
どこかのインタビューで語っていた、遠藤選手にとっての「夢」がついに現実の一歩手前に迫っています。
夢の大切さを伝えるだけではなく、その夢を実現するための姿勢には、ますます魅了されるばかりです。

僕たちのキャプテン、HERE WE GO.

■「遠藤航 初めての沖永良部島巡り」ショートVer



■「遠藤航にとっての沖永良部島」ロングVer

PROFILE

遠藤 航
遠藤 航
1992年2月9日生まれ。神奈川県横浜市出身。湘南ベルマーレにて17歳でJリーグデビューを果たし、19歳で主将に抜擢される。その後浦和レッズ、シント=トロイデンを経て、2019年よりシュトゥットガルトに所属。外国籍選手でありながら現在は主将を務めている。また同じく10代より年代別の日本代表に選出され、23歳で迎えたリオ五輪にも主将として出場。その後もロシアW杯、東京五輪での活躍などを経て、カタールW杯のメンバーに選出。2023年より日本代表のキャプテンに就任した。

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