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「昨日よりも少しでもサッカーが上手くなりたい」 | 世田谷ユナイテッド

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photo by Kazuki Okamoto / text by Kazuki Okamoto

2022年5月24日。世田谷ユナイテッドの練習の参加人数は4人であった。

2023年5月26日。1年が経ち、当時を知るムードメーカーの亀井大地選手がこの日集まった選手の人数をみて、嬉しそうな表情で話し出す。

「オカモトさん、やっとサッカーチームっぽくなりましたね!」

この日の練習場所となる世田谷公園に集まった人数は14人であった。

練習場所に困っているプロサッカー選手たちの受け皿になりたい

「サッカー選手ってオフ期間中に身体を動かせる場所がなくて困っているんだよね」

そう語るのは、かつて横浜Fマリノスやジェフ千葉などでプレーした比嘉祐介選手。

この日の練習にはオーストラリアでのシーズンを終えた齋藤学選手やインドネシアリーグに所属する南部健造選手といった海外でのシーズンを終えて帰国した選手が世田谷ユナイテッドの練習に参加していた。

通常であれば、この時期の日本国内のリーグはカテゴリー関係なくシーズン真っ只中であるが故に、コンディション調整を目的としてチームの練習に参加することは少しハードルが高いのだが、世田谷ユナイテッドに関してはかなり寛容である。

Jリーグや東南アジア等でもプレーした経験を持つ世田谷ユナイテッド代表の地頭薗選手は自身のこれまでのキャリアから「世田谷ユナイテッドは常にオープンでありたい」と話す。

貴重な練習時間

世田谷ユナイテッドの練習メニューはとにかくボールに触れる機会が多く、練習時間の半分以上は「基礎練習」と呼ばれる練習に時間を割いている。

アップを終えて、インサイドキック、ロンド、パス回し。それぞれの練習でパターンを変えてひたすら「止めて蹴る」を繰り返す。また、どの練習も狭いスペースでプレーを行う為、選手たちに休む時間を与えず、常に頭で考える癖をつけさせる。
一瞬のサボりが命取りとなり、軽率なミスに対しては檄が飛ぶ。

そういった練習を繰り返した結果、1年前に比べてパススピードや練習強度が上がっているのは明白であるが、齋藤学選手や南部健造選手といったキャリアのある選手がさらに違いを見せる。

世田谷ユナイテッドの選手たちにとって、何て贅沢な時間であろうか。

この日の練習時間も70分程度と、短い練習時間ではあったが、選手たちの表情からは充実した様子が伺えた。

「昨日よりも少しでもサッカーが上手くなりたい」

地頭薗選手のこの言葉こそ、今の世田谷ユナイテッドを象徴しているのではないだろうか。

PROFILE

SETAGAYA UNITED
SETAGAYA UNITED
2022年に設立した世田谷を舞台とするローカル・イノベーション・フットボールクラブ。

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