FOOTBALL | [連載] 鎌倉インテル2023

だれかのヒーロー | #鎌倉インテルvol.11

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photo by Kazuki Okamoto / text by Kazuki Okamoto

Jリーグジャッジリプレイは必要か否か。

先日居酒屋でそんな話が出た。

結論として不要である、これがわたしの答えだ。

試合から数日が経ち、じっくりと映像を振り返った上で、番組内の判定が最終的に正しい判定となってしまっているような感覚に少々違和感を感じており、いくら議論されたところで判定自体は覆らないからである。

しかしながら、レフェリングの基準やルールを把握しておきたいが故に毎週欠かさずこの番組をみているのもまた事実である。

番組が始まって数年が経ち、取り上げられる事象もパターン化されてきた。

そろそろVARが介入する基準とハンドの基準について、協会側からきちんと説明すべきでないのか。

現在、VAR介入判定についてはスタジアムの観客向けに説明する制度のテストが行われており、Jリーグでも導入される日は決してそう遠くないはずだが、この事案についてもまた賛否が分かれそうである。

第7節 FCグラシア相模原

湘南モノレール大船駅。サッカーユニフォームを着たたくさんの小学生たちは柴野諒貴選手を応援するために「みんなの鳩サブレースタジアム」へと向かっていた。

かつて在籍したチームの小学生たちが応援にくるだなんて、どれだけ愛された選手なのだろうか。
この日先発復帰を果たした柴野諒貴選手。彼に注目しよう。

前節今季2敗目を喫した鎌倉インテルはHOME鳩スタに帰還。(わたしはJリーグ撮影の為、現地に行くことはできなかった)

この日の相手はFCグラシア相模原。2年前の1部昇格決定戦で敗北を喫した相手とのリベンジマッチである。
この日訪れた251人のファンのためにも連敗は避けたい。

前半、左サイドにポジションを構えた柴野は流動的にピッチを動き回る。中央、そして右サイドにまで流れてくる。

13分、左サイドバックの冨澤のインターセプトから柴野がいない広大なスペースをドリブルで一気に駆け上がりクロスをあげると、頭で合わせたのは柴野だった。後輩たちの目の前で豪快なヘディングで見事先制点をあげる。期待されていた中で、見事結果を残した。

その後は追加点を奪えず、前半終了。
リードして前半を折り返すも、「フワッと」したゲーム展開。このままではやられてしまう、そんな予感さえもしていた。

後半開始から芹澤徹郎を投入し、徐々に試合の流れを引き寄せる。

そして試合が動いた。

61分、金城光希が追加点。
お決まりの孫興民のゴールパフォーマンスが出ることはなく、そのことについて本人に聞くも「うーん」の一言。
暑さの影響か、外から見る以上にピッチに立つ選手は疲労を感じていたようだ。

そして、2年前の1部昇格決定戦で大怪我を負った増田幸輝がベンチから呼ばれた。当時を知る岡崎修也との2ショットは感慨深い。

普段は寡黙で大人しい印象ではあるが、相当気合が入っていた。
彼の目をみればわかる。

FCグラシア相模原相手に見事リベンジを果たし勝利はしたものの、アディショナルタイムの失点は余計だった。
勝利のはずがの敗北したかのような雰囲気がスタジアムを漂う。

だが、その重苦しい雰囲気は鳩スタに訪れたファンによって変えられた。

これこそ鳩スタの真骨頂だ。

PROFILE

鎌倉インターナショナルFC
鎌倉インターナショナルFC
神奈川県社会人1部リーグ所属のサッカークラブ。『CLUB WITHOUT BORDERS』をビジョンに掲げ、日本と世界を隔てる国境をはじめ、人種や宗教、性別、年齢、分野、そして限界、あらゆる“BORDER”をもたないサッカークラブを目指す。

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