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【2025bjカップU18決勝】八千代高校が優勝、インターハイ予選に向け好発進

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photo by Kazuki Okamoto / text by Asami Sato

“2025 bjカップ U18 Presented by 東進ハイスクール”が、3月25日から26日にかけて武蔵野の森総合スポーツプラザで開催された。サンロッカーズ渋谷U18(東京)や習志野市立習志野高等学校(千葉)など関東のチームを中心に、FSG開志学園(福島)やファイティングイーグルス名古屋U18(愛知)など、高校とBユースの垣根なく、全国各地から全18チームが参加した。

決勝戦のカードは、國學院大學久我山高等学校(東京)と千葉県立八千代高等学校(千葉)。それぞれ準決勝で大阪学院大学高等学校(大阪)と横浜ビー・コルセアーズU18(神奈川)を破り、決勝戦に進出した。國學院久我山は昨年末のウィンターカップ2024にも出場している東京の強豪。対する八千代は、昨年のウィンターカップ千葉県予選決勝で惜しくも市立船橋に敗れており、2004年度大会(ウィンターカップ)以来の全国大会出場を目指している。

國學院久我山vs 八千代

14:15、決勝戦開始。久我山#13菅匠之介(新1年)の得点で幕を開けると、八千代は3Pシュートで応戦。両チームともに集中力高く試合に入り、しばらくは両者ともに譲らない緊迫した試合状況が続く。

八千代#6スミスジャスティン怜(新3年、今大会BEST5選出)のオフェンスリバウンドを中心にペースを握り、#8鈴木大河(新3年)や#9石田陽斗(新3年、今大会BEST5選出)の堅実な得点で点差が開き始める。また、#5澤口陽(新3年)の切れ味抜群のドライブとシュートを止められず、スコア4-22で國學院久我山がタイムアウトを要求。

タイムアウト後、國學院久我山の新エース#5石水怜(新3年、今大会MIP選出)が3Pを3本沈めて必死に喰らいつくも、八千代がリードを譲らず、21-30で第1クォーターが終了。

続く第2クォーター、國學院久我山は3Pを中心に追いかける。対する八千代は#15駒木歩輝(新2年)のゲームメイクや#8鈴木大河と#5澤口陽の得点、チームとしての固い守備でリードを広げ、25-46で前半が終了。

怒涛の3Pシュートで反撃開始

10分のハーフタイムを挟み、第3クォーターが開始。八千代#9石田のドライブからの得点でスコアが動く。両者ともにリフレッシュした状態が影響し、試合開始直後のような固い展開が続く。

しかし、國學院久我山は焦りからか難しいシチュエーションでのシュートが続き、それがことごとく決まらない。#15駒木の3Pや、#5澤口と#6スミスのコンビネーションで29-58と点差を広げ、國學院久我山がタイムアウト。タイムアウト後も八千代は集中力を落とさずに試合を進め、38-80で第3クォーターが終了した。

第4クォーター、#5石水の3Pで國學院久我山が反撃開始。#4佐藤淳太郎(新3年、今大会BEST5選出)や#11松田侑大(新2年)も奮闘し、50-82と逆転への希望を見出す。追いかけられる展開で若干の動揺が生じたのか、八千代はディフェンス時にファウルが続き、試合は一転して國學院久我山のペースに変わる。

しかし、#15駒木がドライブから冷静にシュートを沈めると、八千代が再び安定感を取り戻す。國學院久我山は3Pから逆転の糸口を探すものの、八千代は高い集中力でリードを譲らない。#12哘﨑将成(新3年)のリバウンドから得点が決まり、72-104で試合終了。

ゴール前の固い守備とリバウンドでペースを握り、バランスよくどこからでも攻められる八千代が終始ゲームをコントロールし、見事優勝に輝いた。

「今年こそはインターハイとウィンターカップのどちらとも」

試合終了後、八千代HC藤橋洋輔さんに、今大会に出場した感想を聞いた。

「いい部分と悪い部分が両方出た2日間だったと思います。悪い部分を修正して、本番に向けてまた頑張りたいと思います。この大会の位置付けとしては、まず力試しということと、この素晴らしい環境で試合をさせていただいているので、なるべく多くの選手たちを使いながら2日間を戦うことができて、本当にありがたいです」

大会MVPに選ばれたのは、八千代#5澤口陽。國學院久我山が彼のドライブを止める術を最後まで見出せなかったのも、勝敗を分けた一因だと言えるだろう。チームを優勝に導いた澤口に、今大会の感想と今年の目標を聞いた。

「MVPを取ったことよりも、このチームで最後の決勝もいいバスケをして、試合に勝てたことが嬉しかったです。2日間を通して苦しい時間帯もあったのですが、タイムアウトを含めてみんなで修正して、ディフェンスから走って、リバウンドなど泥臭いところを頑張って、それを速攻に繋げられたのが良かったと思います。

自分たちは長い間全国に出られていないので、今年こそはインターハイとウィンターカップのどちらとも全国に出られるように頑張りたいと思います」

決勝戦の裏では3位決定戦が同時開催され、77-54で大阪学院が横浜BCを破った。両チームをそれぞれ牽引した大阪学院#52上下璃人 (新2年)と横浜BC#14江原行佐 (新2年)が大会BEST5に選出された。

その後、会場では3位以下の順位決定戦や交流戦が行われ、大会は無事終了。新チームが発足し、今季の戦い方を模索していく上で、いずれのチームにとっても非常に有意義な大会になったはずだ。今大会をきっかけにして、各都道府県予選やインターハイ、そしてウィンターカップで活躍する選手やチームは、決して少なくないだろう。

PROFILE

佐藤 麻水(Asami Sato)
佐藤 麻水(Asami Sato)
音楽や映画などのカルチャーとサッカーの記事が得意。趣味はヨガと市民プールで泳ぐこと。

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